女体に巣食う悪霊や邪気を取り除く異能を身につけた天宇は、ある日、彼との不義が原因で夫に斬殺されたはずの秋乃と出会う。久しぶりの秋乃との情事で気を失うほど何度も精を放った天宇だったが、目覚めたとき隣に秋乃の姿はなかった。彼女は“亡霊”だったのか。帰宅した天宇を迎えた助手・瑞穂は秋乃の影に気づき、嫉妬の炎を燃やす。そして夜、瑞穂は自ら天宇に挑んでいった…。
●北山悦史(きたやま・えつし)
1945年、北海道生まれ。山形大学文理学部中退。学習塾運営のかたわら小説を書き、1977年、官能作家デビュー。「官能小説大賞」「日本文芸家クラブ大賞」「報知新聞社賞」を受賞。独特のソフトな文体と描写で人気を博す。気功家としての顔も持ち、各地で気功教室を開いている。『占い師天峰 悦び癒し』(二見文庫)、『絵草子屋勘次随喜竿』(悦の森文庫)、『金四郎桃色秘帖 桜吹雪の女』(学研M文庫)など著書多数。