〈地獄の炎(ヘル・ファイア)〉教団の魔手から東京を救った村雨正人は、週刊誌記者の額田希美子と共にロンドンにいた。希美子発案による特集記事第二弾、“ロンドン魔界スポット探訪”のためである。
はからずも教団のお膝元に来てしまった二人は、“魔界の門”を開かんとする教団のために絶対の危機に陥る。が、周囲の予想を大きく上回る正人の霊能力は、数多くの魔物と共に、あろうことか切り裂き魔ジャック・ザ・リッパーの霊を呼び覚ましてしまったのだ。
エロスと伝奇アクションが融合した好評シリーズ第2弾。「電子版あとがき」を追加収録。
●友成純一(ともなり・じゅんいち)
1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。