姿を消した父の行方を求めるうちに、宇土羅光男は、異世界に入りこんでしまった。西暦2万839年の現在、人間は絶滅し、人間の戯れで創り出された矮族しか残っていない。
未知の世界で出会った獣人ジャグアと共に、父を探す旅は始まった。途中で恋人の春子も光男の後を追ってきて、ともに霧の神殿の門をくぐり、聖域ヒラニプラに出た。父の手がかりを得た一行は竜船ワイ・カイカイ号に乗り、アフ・アキビーへ向かう。航海中、“魔神眼”が出現し、3人は身ぐるみ剥がされ、海へ放りこまれた! 想像を絶する冒険譚。
冒険SFファンタジーの傑作、第2弾。
●川又千秋(かわまた・ちあき)
1948年、北海道小樽市生まれ。作家、評論家。慶應義塾大学文学部卒。学生時代よりファン活動を始め、SF専門誌で評論を発表。『火星人先史』で第12回星雲賞を、『幻詩狩り』で第5回日本SF大賞を受賞。他に『ラバウル烈風空戦録』シリーズ(中央公論社)、『亜人戦士』シリーズ(徳間書店)、『創星記』(早川書房)など著書多数。