片頬だけが赤く染まる「ハーレクイン症候群」。勾坂俊介の運営するネット上の医療相談『電脳メディカル・クリニック』に、稀な症例の相談が寄せられた。その相談は10億円にも上る銀行員の横領事件へと繋がっていく。それは自身の欲望のためには手段を選ばない“狂気を放つ医者”が、勾坂に対して送りつけた挑戦状だった。医者の能力を暴走させる男が、銀行支店長と一緒に仕組んだ罠とは? 最新医療技術である「組織染色」が狂気を暴く。
最新医療を駆使するドクター探偵・勾坂の活躍を描いた、傑作ミステリー第3弾。
●米山公啓(よねやま・きみひろ)
1952年山梨県生まれ。作家、医学博士、神経内科医。聖マリアンナ大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年2月に退職。本格的な著作活動を開始。医学ミステリー、小説、エッセイ、医療実用書など、著書多数。現在もあきる野市の米山医院で診療を続けながら、年間10冊以上のペースで書き続けている。テレビ・ラジオ番組の監修・出演をこなし、講演会も全国で行なっている。