ついに“タルカス”が誕生した。存在するものすべてを敵とする、究極の破壊者が目指すのはアムネシア。そこはいまや戦乱の地となっていた。長年のグユの圧政をはねのけ蜂起したアムネシアだったが、狂熱風雲王はあらゆる手段でこれを押し潰そうとする。
そして戦いがクライマックスを迎えようとしたとき、“タルカス”が姿を現わした。
官能、暴力、呪術、化学、神話、音楽、あらゆるものを飲み込んで想像力の限界に挑み、「オールタイム・ベスト級の傑作」として絶賛された異世界ファンタジーの傑作が、電子版あとがきを追加してついに復刊!
●中井紀夫(なかい・のりお)
1952年生まれ。武蔵大学人文学部卒業。ハヤカワSFコンテストを経てデビューし、短篇「山の上の交響楽」で星雲賞を受賞。主な著書に、『能なしワニ』シリーズ、『タルカス伝』シリーズ(ともに早川書房)、『漂着神都市』、『海霊伝』(ともに徳間書店)など著書多数。