【内容紹介・目次・著者略歴】
江戸時代の水戸学、国学から説き起こし、第二次大戦後の「日本国憲法」成立後の現代まで、法学の泰斗が日本人の国家観を精査する。
【目次より】
I 法思想における「国体論」
1 法思想における「国体論」
一 「国体論」の生成と終焉
二 水戸学と国学
三 明治維新と「国体論」
四 国体と政体
五 上杉慎吉と筧克彦
六 「国体明徴」
七 「一億玉砕」
2 騎馬民族説と「国体論」
一 英雄・非常時・神話
二 政治神話としての「国体論」
三 「国体論」と記紀神話
四 騎馬民族説と国学
五 騎馬民族説と天皇機関説
3 日本社会と法
一 日本人の訴訟嫌い
二 中国人の訴訟嫌い
三 不足主義と最悪事態観
四 清く明き心
五 「タテ社会」論
六 縁社会
七 結び
II 政治の中の憲法
1 昭和前期の法と政治
一 概観
二 「満蒙の危機」(一)
三 「満蒙の危機」(二)
四 法廷闘争
五 満洲国における王道・覇道・皇道
六 「東亜新秩序」
七 「国防国家」
八 天皇制と天皇
九 現代よりの回顧
2 憲法論争の幕切れ
一 宮沢俊義の改憲消極論
二 美濃部達吉の改憲消極論
三 美濃部の反象徴天皇制論
四 宮沢の「八月革命説」
五 最晩年の美濃部
3 「八月革命説」ノート
一 ポツダム宜言
二 八月―一日連合国回答
三 「権限通達」
四 日本国憲法
五 日本側の対応
六 「八月革命説」
4 ワイマール体制と戦後民主主義
一 昭和二十一年の危惧
二 ヴニルサイユとポツダム
三 小党分立
四 ワイマールの轍?
五 ファシズム 情念の支配
III 国学研究覚書き
1 『国意考』ノート
2 宜長考
3 国学と上代日本
あとがき
長尾 龍一
1938年生まれ。東京大学名誉教授。法学者。東京大学法学部卒業。専門は、法哲学・政治思想史・憲法思想史。
著書に、『ケルゼンの周辺』『日本法思想史研究』『思想史斜断』『遠景の法学』『法哲学入門』『日本国家思想史研究』『アメリカ知的冒険旅行』『アメリカ知識人と極東』『大道廃れて』『カール・シュミットの死』『政治的殺人』『神と国家と人間と』『法学に遊ぶ』『リヴァイアサン』『日本憲法思想史』『思想としての日本憲法史』『憲法問題入門』『法学ことはじめ』『西洋思想家のアジア』『文学の中の法』『争う神々』『純粋雑学』『されど、アメリカ』『法哲学批判』『ケルゼン研究』『古代中国思想ノート』『オーウェン・ラティモア伝』『ケルゼン研究II』『ケルゼン研究III』などがある。
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