【内容紹介・目次・著者略歴】
旧著『近代科学哲学の形成』では、哲学と科学の乖離を問題とし、その交流の可能性を探った。
本書はその続編として、数学と哲学の関係をめぐって、存在論的探究を試みる。
「すなわち「数理の存在論的基礎」の考察は、究極的には、存在の原型と思惟の原型との統一体から数学的存在と数学的思惟との相関関係をいかなるものとして説明するか、また逆に後者を手引きとして前者をいかなるものとして把握するかにあるといってよいであろう。このようにして本書はまた、数学基礎論から区別された意味での「数理哲学への新しい試論」でもある。」(本文より)
【目次】
目次
序
第一章 数概念の成立
§1 経験と数概念
§2 自然数・ゼロ・負数
§3 有理数
§4 体系としての有理数
第二章 数概念の展開
§5 無理数の発見
§6 無限小数
§7 切断と連続
第三章 集合論の成立
§8 n次元連続体
§9 現実的無限
§10 逆理の由来
第四章 集合論の存在論的基礎
§11 対応と濃度
§12 可附番と非可附番
§13 連続体の構造
§14 整列
第五章 直観主義の立場
§15 自由選列
§16 生成的無限と構造
§17 主体性と時間
第六章 形式主義の課題と方法
§18 形式の体系
§19 有限の立場
§20 無矛盾性
第七章 超限帰納法の存在論的基礎
§21 記号・図形の直観
§22 否定の意味
§23 形式化の基礎
第八章 超数学の存在論的超越
§24 純粋思惟
§25 数学的直観
§26 形式的体系と非決定性・不完全性
§27 超数学の超越
第九章 数理と実在の世界
§28 数学的抽象
§29 実在の世界
§30 数学的存在と人間存在
後記
人名索引
事項索引
永井 博
1921~ 2012年。哲学者。専門は、科学史・科学哲学。筑波大学名誉教授。
東京文理科大学卒業。東京教育大学文学博士。著書に、『近代科学哲学の形成』
『ライプニッツ』『数理の存在論的基礎』『現代自然哲学の研究』(田辺元賞)『科学概論 科学の哲学』『生命論の哲学的基礎』『人間と世界の形而上学』などがある。
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