【内容紹介・目次・著者略歴】
現代フランスを代表する哲学者ポール・リクールの思想の核心に迫る。〈行為し受苦する人間〉と〈意味を贈与する言葉〉をキーワードに、難解なリクール哲学の全体像を、その根本的な問題関心から描き出す試み。
【目次より】
凡例
序論 リクールの思想の統合的理解のために
(a) リクールの思想の遍歴
(b) 統合的理解の試み
(c) 現代思想における意義
第一章 行為し受苦する人間――反省哲学と悪の問題
第一節 行為する人間の自己了解
第二節 悪の経験と反省哲学
(a) 悪の問題――行為し受苦する人間
(b) 自己の自己に対する不均衡
(c) 悪の経験と言葉
第三節 リクールとナベール
第二章 意味を贈与する言葉――解釈学
第一節 言葉の<詩的な>働き
(a) 言述――出来事からの意味へ
(b) テクスト――世界の開示
第二節 テクストからの行為へ
(a) 行為のミメーシス
(b) 歴史とフィクションの交差
第三節 自己の解釈学
(a) 言語的想像力
(b) 自己の証し
第三章 <よき生>を求めて――倫理思想
第一節 自己、他者、制度――リクールの倫理思想の三極
第二節 『他としての自己-自身』の倫理思想
第四章 <はたらき>としての存在――存在論
第一節 はたらきの存在論
第二節 存在論と<他>
第五章 リクールの哲学とキリスト教――詩学
第一節 満ち溢れの論理
第二節 神の<名>の啓示
あとがき
註
文献表
索引
仏文概要
仏文目次
杉村 靖彦
1965年生まれ。哲学者。京都大学大学院文学研究科教授。京都大学文学部哲学科卒業、京都大学大学院文学研究科宗教学専攻博士課程単位取得退学。
京都大学文学博士。専門は、フランス哲学、宗教哲学。
著書に、『ポール・リクールの思想』Philosophie japonaise. Le neant, le monde et le corps(共編著)Mecanique et mystique. Sur le quatreeme chapitre des Deux Sources de la morale et de la religion de Bergson(共編著)『渦動する象徴――田辺哲学のダイナミズム』(共編著)など、
訳書に、ドミニク フォルシェー『年表で読む 哲学・思想小事典』(共訳)ジャン グレーシュ『『存在と時間』講義』(共訳)ジャン・グロンダン『ポール・リクール』ジャン・ナベール『悪についての試論』ダニエル・エルヴュー=レジェ他編『宗教事象事典』(共編訳)などがある。
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