【内容紹介・目次・著者略歴】
パウル・ティリッヒ(1886 - 1965)は、ドイツのプロテスタント神学者であり、組織神学、宗教社会主義の思想家でもある。その影響は哲学や思想、美術史にまで及んでいる。
生涯キリスト教神学者のティリッヒを「弁証神学者」と捉えた上で、それに即してトータルに解明した書。
〈境界の人〉ティリッヒの生涯と思想を厳密に分析、立体的にその全貌を把握し、神学の新しい可能性を示唆する。
彼が取り組んだ根本的な思想とその方法論、思想史的背景、多様な思想内容の体系化他。
【目次】
目次
序論 ティリッヒ研究の課題
第一節 ティリッヒの自己理解とティリッヒ研究の方法
第二節 本書の課題・方法・構成
注
第一章 ティリッヒの思想発展と弁証神学
第一節 弁証神学としてのキリスト教神学
一 キリスト教神学と弁証神学的的動機づけ
二 近代の宗教的状況と世俗化
三 近代ドイツ神学と弁証神学的課題
第二節 ティリッヒ神学の宗教社会史的コンテクスト
第三節 弁証神学プログラム
注
第二章 体系構想とその根拠
第一節 体系構想の背景と問題点
第二節 体系論の目的と哲学的根拠
第三節 体系批判と体系の擁護
第四節 神学と体系
第五節 弁証神学における体系構想の問題
一 シュライエルマッハー
二 トレルチ
三 シュライエルマッハー、トレルチからティリッヒへ
第六節 体系構想―まとめ―
第七節 ティリッヒの体系論の独自性と意義
注
第三章 弁証神学と相関モデル
第一節 ティリッヒ諸体系の研究の視点
第二節 モデルI(形式・内美モデル)と意味の形而上学
第三節 モデルII(問い・答えモデル)と存在論的人間学
第四節 二つのモデルの批判的検討
第五節 一般化された相関モデル
注
第四章 相関の方法と神の問題
第一節 問題
第二節 現代の宗教的状況
第三節 人間存在と神の問い
第四節 存在自体としての神と人格神
第五節 「神」象徴の解釈と神論
一 ティリッヒ神学における神論の構成
二 ティリッヒ神学における三一論解釈
三 「神」象徴の解釈と神のモデル
注
結び 「相関の方法」と宗教研究の可能性
注
あとがき
人名・事項索引
文献表
芦名 定道
1956年生まれ。キリスト教学者。関西学院大学神学部教授。京都大学名誉教授。京都大学理学部卒業、京都大学文学部哲学科キリスト教学専攻卒業、同大学院博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。
著書に、『宗教学のエッセンス 宗教・呪術・科学』『ティリッヒと現代宗教論』『ティリッヒと弁証神学の挑戦』『自然神学再考 近代世界とキリスト教』『近代日本とキリスト教思想の可能性 二つの地平が交わるところにて』など、
訳書に、トーマス・F・トランス『科学としての神学の基礎』(共訳)パウル・ティリッヒ『平和の神学』(監訳)アリスター・マクグラス『「自然」を神学する』(共訳)などがある。
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