【イラスト付き】マディア国の王族として生まれたシオンは、18歳。王室の中でもオメガとして生まれたうえに愛人の子であることから、隣国・ラスィーヤに捧げられる運命で軟禁されていた。そんなシオンは、一度だけ国の遣いとして視察に来た少年――レイスを忘れられなかった。一月ほどユイの国に滞在したレイスは軟禁されているユイに気づき、二人は夜中の庭園で密会をくりかえしていた。そして、彼が帰国の際、引き寄せられるようにユイの首筋を噛み、それでつがいになってしまっていたのだが、幼い頃のことだったのでシオンもレイスもたがいに「つがい」になったことに気づかず、そのまま別れてしまったのだ。 18の誕生日に生け贄となるべく隣国へと向かったシオンだったが、狼を名乗る海賊に襲われ――!?