顔画像、指紋、虹彩、DNA、行動パターン、
さらには耳の形、声紋、歩幅、匂い、心拍数、血管のパターンまで
個人を特定する、絶対であり唯一無二の証《生体認証》が採取され
データ化され、管理・監視される世界が訪れている!
9.11同時多発テロを経て、
アフガニスタン紛争におけるテロリスト対策を目的として
アメリカで飛躍的に発展した最先端バイオテクノロジー《生体認証》。
それは紛争終了後、戦場から街中へと場を移し、
矛先は個人に向けられるようになった。
生体認証により個人を特定・分類し、
「思想的体質、社会的、民族的、宗教的、そして政治的傾向などの
脅威となる特徴から個人的リスクを評価する」という目的で
管理が進められようとしているさなか、
コロナ・パンデミックがその運用に正当な理由を与え、実行を後押ししている。
事実、アメリカ政府は、2020年に感染拡大調査のためのプログラムを開始。
アメリカ市民に関する個々の健康、場所、家族、そして民族の情報を集めている。
本書は、米国防総省の密かな取り組みに
図らずも巻き込まれ、翻弄されていった兵士たち――
ファースト・プラトゥーンの物語を軸に、
《生体認証》という武器の成り立ちを追い、暗雲立ち込める未来を告げる警告書だ。
目次紹介
・PART 1
第1章 パノプティコン
第2章 2人のウィル・ウェスト
第3章 ハイジャック犯の指紋
第4章 生体認証の責任者
・PART 2
第5章 地理的な条件は宿命的だ
第6章 カブール炎上
第7章 殺人、大混乱、そして、深刻な結末の後始末
第8章 戦闘成果評価
・PART 3
第9章 パエンザイ防衛拠点
第10章 神の目の眺め
第11章 アブドゥル・アフド
第12章 3つの即席爆破装置
・PART 4
第13章 プラトゥーンを得る
第14章 Cワイヤー
第15章 2012年7月2日
第16章 白い服の男
第17章 二重殺人
・PART 5
第18章 手がかりの跡
第19章 本当の正体
第20章 遺伝子パノプティコン
第21章 世論という裁判所