アメリカでは、十九世紀末から、心霊主義の運動が盛んになっていた。
それは、アメリカのチェスターフィールドで行われた交霊会での出来事であった。
安藤弘平は研究のために交霊会に参加していた。四十八歳のことである。
安藤は、グロリア・ターバー夫人より、霊による自動書記の石版を渡され、
石版には、Matsuzoという単語が書かれていた。
ターバー夫人から、Matsuzoは安藤の背後の指導霊と教えられた。
自動書記による石版の伝言にはこのように書かれていた。
―あなたの指導者として、私はこのことを言い残しておきたい。
―信仰こそは、人生の宝庫のあらゆる扉を開く万能の鍵である。
―あなたの言葉の使い方によって、あなたは認められたり非難されたりするのだ。
―人生は現実のものであり、厳粛なものである。
―今日の人々に必要なものは、物の糧ではなく、魂の糧だ。
―あなたの考えと思いを、常に正しいことに向けよ。
まつぞう(matsuzo)
スペイン風邪の大流行の時(大正八年)
毎日200人以上の患者を「コクリコクリ」で瞬時に治した!
疫病も逃げていくその「秘法」に迫る!
日本人よ!伝統に蓄えられた英知を思い起こせ!
昭和の神人たちが伝える宇宙の無限の力を活用して
この危機を乗り超えよ!
松下松蔵と、それに連なる、塩谷信男、政木和三、本山博らの力は、
この世の裏側で今も働いている。
日本に根深く継承される神人の系譜を見事によみがえらせてくれる本!
【著者あとがきより】
私は、ささやかながらも、忘れられていた明治、大正の神人、
川面凡児翁を発掘し、「体から神に入る」という手法を学んだ。
川面の一番弟子、小泉太志命の『祓い太刀の世界』を紹介し、
邪気、邪霊を祓う作法を知ることができた。
そして今回、遅まきながらやっと松下翁と塩谷先生という
神人(ホモ・デウス)にたどりつき一篇の物語を編むことができた。
どんな人も国も、物語なくして生き延びることはできない。
物語や神話を忘れた国民は滅びていくのである。
二十一世紀の我が国に必要なのは、物語と神話なのである。