洋の東西を問わず、人の住んできた土地にはそこに伝わる昔話がある。
今も脈々と語り継がれるそれらの物語だが、実はその奥には長い歴史の間に埋もれ、隠されてきたもう一つの顔があるのかもしれない。
グリム童話やイソップ寓話など、ヨーロッパの代表的な童話に着想を得て独自の視点で日本の物語として描き下ろした「羅城門の田楽師」、「北風と太陽」、山寺に住み村人から慕われる和尚さんの裏の顔「山寺の和尚さん」引き離され、年に一度しか会う事を許されなくなった夫婦の物語「七夕物語」、働き者の嫁を脅かそうと鬼の面をかぶった姑を襲った思わぬ災難「嫁おどしの面」、の5作品を収録。
「すくらっぷ・ブック」などで若者のみずみずしい青春を、また「風の宿」などで情緒あふれる大人の物語を綴って来た小山田いくが心機一転、各地に伝わる昔話を新しい切り口で描いてゆく新シリーズ第3巻!