機能不全の政治、過去の遺産にとらわれた経済、前途多難な外交、矛盾を許容する社会――。歴史への省察をもとに、こうした日本の今をしばる「呪縛の構図」が、丹念な分析によってあぶり出されてゆく。
下巻では、高度成長期から現在に至る政治と経済のしくみ、社会と文化の変遷、そして日本と世界との関係を徹底解説。池田勇人、田中角栄、小沢一郎など、キーパーソンを通して浮き彫りになる戦後政治の実態、トヨタ自動車からキーエンスまで、さまざまな業界の浮沈から見える経済の内実、「オヤジギャル」や「草食系男子」の胸の内、近隣諸国との外交関係がこじれた真の理由、そして現代日本の最大の課題と求められるリーダー像とは?
中国の台頭、東日本大震災、少子高齢化などの近年の変化を冷静に見据え、「アジアの世紀」におけるこの国の進路を大胆に提言する。巻末に「日本語版へのあとがき」を収録。