義妹と遊んでいた幼い頃、顔面に酷い火傷を負ったアマーリエは、常に傷跡を隠すために仮面を被っていた。
ある日、火傷のせいで父親に婚約者を義妹に交替させられ、義妹と出席した仮面舞踏会でその元婚約者が「彼女を抱けない」と言うのを聞いてしまった。
失意の悲しみに明け暮れる暇もなく、ある日突然、アマーリエは王命で、元王太子で公爵のオスカーと婚約をすることになった。
オスカーは絶世の美男でありながら『好色猿殿下』『淫蕩王太子』など呼ばれるほどの色狂いだと噂されていた。
だが実はそれは国王が悪魔と契約した代償に、女と見れば襲い掛かる奇病に侵されているからだという。
その悪魔曰く、アマーリエがオスカーの運命の相手で、二人が結ばれれば奇病が治るらしい。
王命ならば仕方ないと嫁いだその日に、オスカーの発作によりアマーリエは無理やり抱かれ、処女を散らした。
何が番よ。ばかばかしい。運命の赤い糸なんて嘘だわ。
そう思っていたアマーリエだったが、オスカーの発作はみるみる収まってきた。しかも発作状態でないオスカーはなんだか誠実そうで……!?
虐げられてきた仮面女子が幸せを掴むまでのお話――。
<作者より>
「仮面女など愛せるわけがない!」失言公爵が落ちるさまをごらんください♪