企業はこれまでも政府などの要請に応じて緊急時の問題解決に貢献してきたが、ステークホルダーの多くは、企業幹部は社会問題に対してそうした受け身的な関わりではなく、もっと主導的な役割を果たすべきだと考えている。こうした期待に応えるのに最も適しているのが、筆者らが「ハイインパクト連合体」(high-impact coalition)と呼ぶ組織形態であるという。危機に際して企業、組織、NGOが垣根を超えて結び付いたこの組織体は、それぞれの知識や経験を提供し、協力しながら課題を解決していく。筆者らはこの組織体の特徴と成功条件を論じ、さらに社会貢献だけではないメリットについても触れる。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2022年6月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。