パーパスの実現に向け邁進するとともに、利益も上げて成功する企業は存在する。しかし、パーパスと利益を同時に実現することや、さまざまなステークホルダーに同時に同程度の満足度をもたらすことは簡単ではない。経営が厳しくなると、利益最優先の戦略に逆戻りしたり、倒産の危機が迫っても必死にパーパスにしがみ付いたりする企業もある。しかし、最終目標が長期的な価値の創出や、世界に望ましい影響を与えることであれば、いずれの戦法も役に立たない。本書では、目指すべき北極星としてパーパスを活用することで、リーダーがトレードオフが必要な場合に優先順位をつけ、長期的な利益を生む行動へとつなげる方法を解説する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2022年6月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。