ある朝、有名な美青年であった公爵家の四男との婚約を一方的に破棄されたと父に告げられたアメリア。
そして、その日、登校した女学院の教室に神殿の最高位である教皇が訪れた。
「アメリア。そなたに死者の神、冥府の王サリューンへの嫁入りを命ずる」
それは、突如言い渡された年老いた神との結婚を指す。未来のない神殿での奉公生活に絶望したが、持ち前の明るさで受け入れた。
神域に入り神の信託を運べるのは花嫁でもあり神子となったアメリアだけ……。慣れない儀式や仕事に戸惑いつつも親切な小間使いのリオンや、優しいサリューンに助けられ日々を過ごしていく。
そんなある日、元婚約者のマティアスがアメリアに会いに来た。
その再会から穏やかだと思われた生活が一変した……。
大きな陰謀に巻き込まれる中、アメリアは次第にサリューンの秘密に近付いていく――。
これは、少しおてんばな伯爵令嬢と、一途で奥手な神様の結婚のお話。
リオンの子ども時代を回想した『シモン教皇の備忘録』、アメリアとリオンのその後を描いた『星空の舞踏会』の書き下ろし2本を収録。『冥府の王に嫁入りします!【分冊版】3』には「第三章 陰謀」~「第四章 サリューンとリオン」(前半)までを収録