花嫁を醜いほうの娘にすり替えるとは、我が氏族を侮辱するつもりか!
女子修道院に暮らすイリサは突然、非情な父の命令により連れ戻された。
「お前は結婚することになった。相手には花嫁が、私には同盟が必要だ」
政略結婚の相手はマクミラン氏族の支族長、ロス・マクミラン。
視界を遮るようなベールをかぶせられ、式に臨んだイリサが知ったのは、相手方からは、花婿本人ではなく代理人しか現れなかったこと。
そして、本当はイリサの姉が花嫁になる約束だったが、どういうわけか日陰の妹である自分が代わりに差し出されるという事実だった!
修道女のような私に、美しい姉の代わりなんて務まらないのに……。
一方のロスは、醜いと噂のイリサをあてがわれたと知って憤慨した。
やがて、目の前に連れてこられた花嫁がベールを脱いだとき、ロスと氏族の者は一斉に息をのんだ――花嫁の、その無垢な美しさに!
■じつは左腕が不自由なイリサは、冷酷無慈悲な父からお荷物扱いされて修道院に送られていたのでした。それなのに、今度は都合よく連れ戻され、騙し討ちのようにマクミラン氏族の花嫁にさせられた真相は? そして夫となったロスの、妻に対する意外すぎる反応は?