はなまるフードサービスは、首都圏を中心に惣菜・弁当の製造販売店16店と飲食店2店舗を展開している企業です。
SCやエキナカへの出店により、2014年度以降売上げが2倍増と、急成長を続けています。
ですが、はなまるは順風満帆で来たわけではありません。
多くの中小フードビジネス企業が頭を抱えている「人の問題」が大きく立ちはだかりました。
店をオープンしても、当日まで働く人を手当てできず、「このまま人を集められなければ会社は潰れてしまう」といった窮地に追い込まれました。
人材不足を乗り切ろうと既存の社員に負担をかけたせいで離職を招くといった悪循環に陥ることになります。
危機感を募らせたはなまるは、リクルート活動に真剣に取り組みました。
募集から、面接、試験、採用、教育まで、人材に困らない体制づくりに邁進したのです。
その結果、募集費は従来の2分の1に削減でき、逆に年間採用数は2倍増となりました。
本書は、はなまるの実際の募集・採用の取り組みに焦点を当てるとともに、その背景となった著者自身の経営理念の遷移も取り上げています。
貧しい家庭に育った著者は、お金を稼ぐためがむしゃらに働きますが、その姿勢に疑問を感じたことをきっかけに、
経営の目的が、お金儲けから利益追求へ、利益追求から顧客満足へ、そして顧客満足(CS)から従業員満足(ES)へと変わり、
それが「人の問題」を解決することにもつながったのです。
「人の問題」に悩む企業にお読みいただきたい一冊です。