断捨離やシンプルライフがすっかり定着した感がありますが、一方で、そもそも生活の楽しみとは何か? 豊かな人生とは何か? と考えたときに、必ずしもすべての無駄を排除することがそれにつながらないのではと考える人も出てきていらっしゃるように思います。生活がシンプルであればあるほど、持つものが少なければ少ないほど、何を使うのか、何を身の回りに置くのか、何を身につけるのかが大事になってきます。できればそれは、上質なものであってほしい。なぜなら、物は、それを使う人を育てるからです。上質な物、それによって構成される空間、服、すべてが、それに関わる人を上質にします。上質とは、丁寧に扱われることを前提としていることであり、それが、品格と美しさの基本だからです。本書では、インテリアアーキテクトの著者が、上質なものの本質を説きつつ、住まい、食生活、衣服、時間の使い方と、生活と人生全体そのものを上質な美しいものにしていく方法を簡潔に語ります。『上質生活』新装改訂増補版