なぜ、プーチンは大統領の座、もしくは権力の座に執着するのか?
元毎日新聞社モスクワ支局長・石郷岡建著 待望の電子化
「私はここ数年、ロシアが強くなるために働いてきた。ここ数年間に行なわれてきた(達成されてきた)ことを、私自身の手で無に帰するようなことはしない」
ロシアを救ったのは、自分だ。エリツィン大統領時代の混乱期を立て直し、そのために、懸命に働いてきた。それを無駄にするようなことは許さない、ということであろう。強烈な自負と使命感だ。そして、この使命感の裏側には、KGBの諜報員として培われた国家優先思考と、国家 のために働くという国家主義的道徳観が、プーチンの内部に堅固に築かれているように思われる。
(はじめにより抜粋)
【目次】
はじめに
第一章 プーチンの素顔
第二章 ソ連崩壊とロシア社会の変遷
第三章 石油と天然ガスをめぐる戦略ゲーム
第四章 衰退の危機にあるシベリア・極東ロシア
第五章 ユーラシアのグレート・ゲーム
第六章 膨張する中国、備えるロシア
第七章 アメリカの一極世界は来なかった
第八章 プーチンの朝鮮半島戦略
第九章 東へ動くロシア
第一〇章 北方領土問題解決の方程式
おわりに
付記