「いったいどういうわけで、きみがここにいるんだ?」婚約破棄された堅物公爵が再会したのはふられる現場を目撃していた女性だった――〈あらすじ〉真面目で家柄も最高だが、面白味に欠ける公爵ウィル。亡き父親の放蕩のせいで傾いた公爵家を立て直すため、婚約者も条件で見出した。ところが、ようやく家のことが落ち着いたところで婚約破棄されるはめに。おまけに、手ひどくふられる現場を、美しい赤毛の女性に目撃されてしまう。しばらくして、ウィルの妹デイジーの結婚が決まったが、婚約パーティにウィルがいると障りがあると、追い出されるようにコーンウォールの地所での休暇を強要される。雨に降られ、ようやくたどりついた屋敷で、ウィルはあの赤毛の女性、マディーと再会する。マディーは子爵令嬢が庭師と駆け落ちして生まれた娘で、 父から花木を受け継いで種苗園(ナーサリー)を経営していた。地元の様々な役員も務めており、もうじき王女が町を訪問するため公爵邸や庭の復旧をウィルに期待するが、ウィルは父の悪い思い出だらけのこの場所を嫌っていた。新種のバラの開発に夢をかけるマディーと、父親のようにならず一家のため生きようとするウィル。正反対ながらなぜか惹かれ合うふたりの恋は……?