米大統領の訪日を狙った核テロを阻止せよ。刹那的、或いは壮大な目的のために生きる者たちが織りなしてきた物語の、思いもよらぬ結末に痺れるほかない。――羽田圭介2014年3月3日夜、作家・阿部和重の東京の自宅に瀕死の男が転がり込む。その男ラリーの正体はCIAケースオフィサー。神町の菖蒲家を内偵していたが組織内での裏切りにあい、助力を求めてきたのだ。世界を破滅させる核テロの陰謀を阻止すべく、ラリーと幼い息子を連れた作家は新都・神町へと向かう。破格のロードノベル!※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。