なぜ、今になって戻ってきたの?
娘にどう告げよう――父親はあなただと。
セバスチャン――? フェリシティは我が目を疑った。
16年前、自分を捨てて消えた恋人が、目の前にいる。
今や世界的ホテル王となったセバスチャン・デュボワ――
忘れえぬ初恋の人が、16年ぶりに村を訪れたのだった。
フェリシティは胸を締めつける痛みをこらえた。
この16年、いったいどこにいたの?
ああ、どんなにあなたが恋しかったか!
セバスチャンは結婚指輪はしていなかった。恋人はいるのかしら。
ききたいことは山ほどあった。でもその前に話すべきことがある……。
「私、子供がいるの――私たちの子よ」
■かつて愛した男性との予期せぬ再会に、驚愕し、怯えるヒロインをかたわらでなだめる愛娘は、まさかその男性が自分の父親とは知るよしもなく……。気鋭の新作家レイチェル・スチュアートが16年越しの愛の形を描く、感動のシークレットベビー物語!