野球も人生も、たくさん勝つ人ほど、同時にたくさん負けている。負け、失敗、ミスジャッジを前に、勝負を投げた負け犬にならないかぎり、最後の最後まで結果は分からない。名将・野村克也氏をもってしても、監督して24シーズン、3204試合を闘い、最後にわずか2つ勝ち越したにすぎない。目先の1勝より価値があるのは、3000試合以上、勝負の土俵に上がり続けたこと、そのものにある。人生の深遠を教えてくれる人生訓!
●善く勝てる者は、善く負ける方法を知っている!
たった1敗をきっかけに、頂点から奈落の底にまで落ちてしまうチームや組織もあれば、負けが込んでいるようで、気がつけば最後にトップを取るところもある。人は目先の勝利やヒーローにばかり目を奪われるが、本当に強い者は、最後にトップを取る者だ。弱者には弱者の戦略があり、奢れる強者を逆転することは決して夢物語ではない。
人口減少、世代間格差拡大、国際競争力減退……目先の個々の現象としては「負け」しかなくなった日本人の常識を覆し、最後に勝利をつかむ「負けない」ための局地戦の負けかたの極意を語る。不世出の<雑草>の名プレイヤーにして名将である野村克也氏の勝利をコントロールする哲学の集大成の1冊。すべてはこの1冊を語るためにあった!