タワマンには3種類の人間が住んでいる。資産家とサラリーマン、そして地権者だ――。大手銀行の一般職として働く平田さやかは、念願のタワマンに住みながらも日々ストレスが絶えない。一人息子である充の過酷な受験戦争、同じマンションの最上階に住む医者一族の高杉家、そして総合職としてエリートコースを歩む同僚やPTAの雑務。種々のストレスから逃れたいと思ったとき、向かったのは親友・マミの元だった。かつては港区で一緒に遊び回り、夢を語り合った二人だったが――。幸せとはなんなのだろう。逃げ場所などない東京砂漠を生きる人々の焦燥と葛藤!※紙書籍版カバー裏には、特別短篇「高杉隆の初恋」を収録(電子版には収録されません)。※電子書籍版巻末には、特別短篇「目黒奈々子の後悔」を収録。