あらすじ悪の組織の戦闘員として働いて6年間、ずっと下っ端で上の命令に従い悪事を働いてきたクズ野郎、それが俺だ。色々考えないようにしてた。現実なんて見ないに限る。でもあの日、親しい同僚が現場から生還しなかった事で、現実を見ざるを得なくなって、なんか……心が折れた。現実っていうのは思ったよりガツンとくるもんなんだな。……その衝撃が、俺の背中を押したんだと思う。そうでもなきゃ、あんな無愛想な女が配ってた手描きの『ヒーロー募集』のビラになんて食いついたりしてねえ。かくして、俺の『兼業ヒーロー』生活が始まったわけだが、その生活もくそったれなもんでさ……。