イタリア富豪の夫を愛してはならない。
それが、この結婚の狂おしい掟。
ラナは朝から晩まで身を粉にして働いていた。
信じていた人が勝手に彼女の名義で莫大な借金を作ったからだ。
そんなある日、偶然知り合ったイタリア富豪サルヴァトーレから、ラナは耳を疑うような依頼を持ちかけられた。
「つきまとう女性を退けるため、契約結婚をしてくれないか?」
期間は1年間。その見返りに借金を肩代わりしてくれるという。
窮地にあるラナは法外な話に不安を覚えながらも受け入れた――
“彼に惹かれ、ベッドを共にするなんて絶対だめ”と自戒した上で。
それなのに、ある夜、ついに愛の炎が燃え上がり身を捧げて……。
■ロンドンでイタリア富豪ヒーローと挙式したヒロインはトスカーナにある壮大な屋敷で暮らし始めます。やがて彼女は、自分のおなかに小さな命を宿していることに気づきますが、心を閉ざした彼に告白できず……。J・ジェイムズの華麗なロマンスをお見逃しなく。