時に九世紀、北欧。スカンディナヴィア半島。魔銀の大竪琴を揺籃として眠りに就き、永き時を経て目覚めた少女を待ち受けていたものは、神々なき人類史の世界だった。少女の名はアスラウグ。竜殺しシグルドと戦乙女ブリュンヒルデの娘。息を潜めるようにして生きる少女の日々は、ある時を境に一変する。それこそ、恐れるものなきヴァイキングの勇士にして未来の王、ラグナル・ロズブロークとの出逢いだった。そして西暦二〇一X年、北欧はノルウェー首都オスロ。史上初の魔術儀式である亜種二連聖杯戦争において、アスラウグとラグナルは共に、殺し合うための神秘の兵器(サーヴァント)として召喚される。それは、奇しくも──最後の戦乙女(ワルキューレ)と最後の勇士の魂(エインヘリャル)の、千年を経た邂逅だった。