「ここから逃げ出してしまいたい……」
オアシスの街、アルマディナで暮らすドゥーヤ族の乙女ナディアは、残虐非道で強欲な権力者に見初められ、今宵まさにその清い身体を奪われんとしていた。
「願い通り、攫いに来たぞ」と彼女の元にあらわれたのは──。
背の高い均整の取れた体躯に見事な金髪と深紅の瞳を持つ、華やかなアラビアンファンタジーの王子様然とした『砂漠の盗賊王』ジャミールだった。
ナディアは、ジャミールと共にアルマディナから抜け出し、夜の砂漠を越え、遊牧民の街シストゥールに辿り着いた。
タフで絶倫で溺愛がすぎるジャミールと結婚し、新しい土地で、甘く幸せな生活を始めたのだが、ジャミールの出生の秘密により――。
溺愛スパダリヒーロー×おてんばお嬢様ヒロインの正統派アラビアンファンタジー!
『砂漠の盗賊王と攫われた花嫁(3)』には「第二章 遊牧民の街シストゥール~結婚~」(後半)~「第三章 ジン」(前半)までを収録