縁談相手の百合との破談騒ぎを免れた北町奉行所定町廻り同心・井原伊十郎は、盗人『ほたる火』の探索に心血を注いでいた。江戸市中では『ほたる火』の人気が高まり、浮世絵までもが評判になっていたのだ。その浮世絵を見た伊十郎は、音曲の師匠・おふじに似ている事に気付く。絵師の鳥海英才に話を聞くと『ほたる火』をその目で見たという。やはりおふじが『ほたる火』なのか? 一方、伊十郎の元に赤子を抱いた若い女が訪れた。女の話では、赤子は伊十郎の子だというのだ。全く身に覚えのない母子の登場に頭を抱える伊十郎。不徳か陰謀か……独り身同心の行末は!? シリーズ第三弾。