あらすじ「わかった。お前がそういうのなら……抱いてやる。ただし、無様に泣いて許しを乞うなよ? 途中で泣きわめいたところで中断は、無しだ」苛立ちを眼差しに込めて言ってやる。ゴクリ……と、彼……いや、彼だったはずの彼女は、はしたなくも喉を鳴らした。これがついこの間まで、行動を共にして遊び呆けていた従弟であるところには、目を疑うところなのだが。彼女の父親と同じ目立つ銀髪と、僕と同じ濃い紫色の瞳は以前と変わらず「彼」であった。従弟はいつの間にか、従妹となっていた。