あらすじ「な、ない!? 無くなって……るッ?」オレ、鮭延悠市は、ひとりベッドの上で脚を開いて下着の中に手を突っ込み、寂しくなっている股間に対して狼狽えた声を上げた。消えてしまった男の証、やわらかな膨らみを持ちはじめた胸、くびれが増した腰に大きくなったお尻。完全に、この身体は「女」だ。この姿はオレではない。オレの身体ではあるはずだが、違う。暗い窓に映り込んだオレはまるで、ひとつ上の姉、琴梨姉ちゃんそのものだった。琴梨姉ちゃんの葬儀が終わって、次の日だった。