あらすじ高校時代、後輩の滝口が好きだった。耳から入って全身を震わせるバリトンボイス。声も、歌ってもらうことと引換に触れてくる手も好きだった。「彼女ができた」と笑顔で去られた瞬間までも。必死に滝口を忘れ数年、仕事人間になっていた要の前に再び滝口が現れた。近づいてはいけない、思いを悟られてはいけない。懸命に『先輩と後輩』でいようとする要に容赦なく近づいてくる滝口は、要が避けてきた過去の真相を突きつける。