あらすじ自ら死を望む者がたどり着く。房総の山奥に死を与える少女がいる。彼女は人がもつ死に対する憧憬を否定も肯定もしない。ただ望みを叶えるのみ。「あなたの死にたい叶えます。人生に疲れた方、生きていてもしかたがないと感じている方、自殺する勇気がない方、あの世へ送って差し上げます」 誰かが自ら選ぶ死への心を、所詮他人は解し得ない。死ぬ理由は儚い。生まれる理由が曖昧であり、存在の理由があやふやなように。 自殺志願者は、それぞれの想いで山へ入る。