一見、どこにでも居るような普通の女子大生。しかし、彼女の家庭環境は複雑だ。テンテンの店にやって来た女子大生は、母親の奇妙なコレクションから黙って持ち出したという『ハゲチョビンの書』を売ろうとする。それに待ったをかけた俺に正義はないが、多少の好奇心はある。複雑な事情を抱えた女子大生は、何故自殺を考えているのか。秘めた殺意は誰に向けられているのか。そして、彼女の命の値段は果たして幾らになるのか――?【登場人物】◎俺(先生)……大学の非常勤講師。35歳。「買い取り屋」の常連のようになっているが、客ではない。◎テンテン(死神)……見た目は17歳の女の子。「買い取り屋」の店員。恐ろしくレトロなドレスを着ている。甘いものが大好き。◎助教授……先生の学生時代からの友人。経済学部の助教授で将来有望。◎女子大生……助教授の教え子。家庭環境が複雑で色々と悩みを抱えている。