あらすじ羞恥が騎士の胸中を沸かせた。視線をさまよわせた先にあったベッドの上、まだ眠っている従弟であり護るべき対象である王子を見つけて。「こ……殺せっ! これ以上、僕を辱めるぐらいなら、いっそ……!」王子の騎士として、従兄として、ラナにはそのような姿を見られたくはない。過去を思い出しても、『女』とされた自分の存在は果てしなくみじめであるというのに、護らねばならないはずの王子の目にメスの痴態をさらすなど、情けなさに死を選ぶしかない。