となり近所の助け合いの子育てがあたりまえの昭和の時代。みち子は人の子などドブに落ちても知らんぷり。だって、我が子のお手々が汚れたから洗いに行かなきゃいけなかったんだもの、と、我が子以外はどうでもいいのを隠しもしない母親だった。その可愛がり様には、世間はもちろん夫も完全に閉口していた。そんな矢先、夫の勤め先の社長の子供が誘拐される事件が起こった。身代金目当てのその犯行に、みち子は心揺れた。そして便乗し、ひと稼ぎしようと目論んだ時、なんと、愛しい我が子がいなくなってしまった!いったいどこへ!?気も狂わんばかりのみち子。そして、物語はまさかの結末へ。