この子は一人で育てよう――
誰も愛せない父親の分まで私が愛せばいい。
サイラは親友の婚約披露パーティに出るためイギリスに帰国した。
8年前、親友の兄でホテル王のネイサンと付き合っていたが、結婚など考えられないという彼に絶望し、アメリカに渡ったのだ。
今回パーティでサイラは思いがけずネイサンと再会した。
真っ青な瞳のハンサムな彼は、歳を経てさらに魅力を増していた。
サイラは親友にせがまれ、彼を含めたグループ旅行に行くことになる。
断ち切れずにいた想い。よみがえる情熱。
たとえ結婚に行き着かなくてもかまわない。今が幸せなら……。
そう自分に言い聞かせ、サイラはネイサンとベッドを共にしてしまう。
3カ月後、彼女は体の異変に気づく。まさか――?