「オレに、あなたの声を下さい」
「私に、あなたの体を下さい」
別々の養護施設で育てられた新太と瑠璃は、ある日出会った瞬間恋に落ち、夫婦になった。
そして安住の地を求め、新たな街に引っ越した。
――二人がいればそれでいい。
穏やかな日々を暮らしている二人だが、いけないとわかっていてもなにかを埋めるかのように
薬物を使用し、異常なまでの快楽を得ていたのだ。
そんなある日の花火大会に出かけた二人。携帯を取りに戻った瑠璃が、いつまで経っても戻ってこない。
逸る気持ちを抑えつつ、探し当てた先に待っていた光景は……。想像もしなかった瑠璃の姿に、怒りがこみ上げる。
レイプ犯に襲い掛かった新太が手に持っていたのは――!
時には、大切なものを守るために「人間としては最低な行為」を選んでいく二人。
見えない深い絆と純粋な愛情に身を寄せ合うことで永遠を誓う、そんな夫婦に待ち受ける結末とは……