きれいで優しくて、大好きだった幼馴染のテオドール。
彼に甘酸っぱい初めての気持ちを打ち明けた後、突然会えなくなってから十二年――。
あれから彼は目的のためには人を殺めることすら厭わないとされる冷酷無情な「氷の皇帝」となっていた。
まばゆいばかりの美姫となったセレーネは祖国を救う一縷の望みをテオドールに託すため、ようやく再会を果たした。
しかし、彼はそんな彼女の望みを一笑に付し、半ば強制的な婚姻を提案する。
凍て付く様な冷たい瞳で、あの頃とは全く異なり厳しく非情になった彼だが、セレーネを見る時だけは狂おしいほどの熱情が秘められていて、甘い責めを繰り返す……。
優しかった彼は本当に変わってしまったのだろうか? 彼の真意はどこに?
翻弄されながらもセレーネは、テオドールへと募る想いを止めることができない……
淫らに強く執拗に愛され、セレーネの身体は悦びにうち震える――。
好きなのに好きだと伝えられず、二人は互いに苦しみその想いをひた隠してしまう。
拗らせ皇帝と美姫のすれ違いラブストーリー。