伯爵令嬢のシェリルは、王太子の婚約者である姉の近衛騎士になるために剣の修行に励んでいた。
王や王妃不在のある日のパーティーで、王太子が心を寄せた男爵令嬢ローゼをいじめたという理由で、姉が突然婚約破棄されてしまった。
濡れ衣であったが、姉はすぐさま投獄され、そのまま地下牢の中で亡くなり、翌日に父親も事故で亡くなってしまった。
唯一残った家族である兄と没落した家を守るため、シェリルは、新たに王太子の婚約者になったローゼの近衛騎士として仕えながら、ローゼのいじめに耐える日々を過ごしていた。
迎えた王太子とローゼの結婚式当日。
披露宴会場に乗り込んできた賊の首謀者として疑われ、捕らえられそうになったとき、来賓としてその場にいた獣人の国・フランベルグの国王と、その護衛・コンラートに助けられる。
そのまま口裏を合わせているうちに、シェリルはコンラートと婚約をすることに。
婚約はシェリルを助けるためのその場しのぎだと思っていたら、どうやらコンラートは本気でシェリルとの結婚を望んでいたようで……?
『もう我慢ばっかりしてられない~没落したら獣国の将軍に嫁ぐことになりました~(2)』には「第二章 色彩をくれた人 五話 平常心が保てない」~「第二章 色彩をくれた人 八話 守る者、策を練る者」までを収録