輝くような美貌の持ち主で、「明星(みょうじょう)の騎士」と呼ばれていた王国近衛騎士のカラフは
夏のある日、王から「地方で静養中の王妃の護衛任務」を命じられる。
一年前に嫁いできた王妃は幼いころからの知り合いであり、冷めきった夫婦関係から笑顔をなくしていく王妃を、カラフは密かに心配していた。
王命に従い静養地へ向かったその日の夜、カラフは手紙で「夜のお誘い」を受ける。
女官か誰かだろうと誘いを受け入れ、部屋に訪れた人物を招き入れたカラフだったが、なんと訪れてきたのは王妃だった。
「幼い頃からお慕い申しておりました。どうか今夜一晩だけ、あなたのものにしてください」
一度は拒否をするも、王妃の切実な想いに心打たれたカラフは、甘く熱い夜を過ごす。
一晩限りの関係だったはずが、お互いのことが頭から離れず、二人は禁断の関係に溺れていく。
そうして夏の間、激しく求めあった二人だが、静養地から戻り「王妃」と「護衛騎士」の関係に戻ったはずだった… …。
<作者より>
本作品は決してロマンティックな恋愛小説ではありません。顔だけが取り柄の騎士と、苦労知らずの王妃が不倫にはまっていく作品です。
彼らを応援するも、蔑むも、読者様にお任せしたい……そんな一風変わった作品になっております。果たして彼らの許されざる恋の先には、どんな結末が待っているのか。ヒューマンドラマとしてもお楽しみいただければ幸いでございます。
『明星の騎士は今宵王妃を抱く(1)』には「第一章 明星の騎士と王妃」~「第二章 最初の愛、最初の悦び」までを収録