雨の日に拾ったのは、仔猫ではなく謎のイケオジでした。
ある雨の夜の帰り道。23歳にして初めての酒で酔った奥村朝子は、道端で捨て猫のように座り込むおじさんを見つけた。酔っぱらっていると分かり無視して帰ろうとするが、雨に打たれているのを見捨てられず、思わず声をかけてしまう。
悲しげに「助けてくれ……」と言うその様子に、思わず彼を自宅に連れ帰ってしまった。
翌朝目覚めると、その男はなぜか朝食を作ってくれており、それが驚くほどおいしくて……!?
高比良柊人と名乗る37歳のおじさんは、朝子が仕事から帰宅してもまだ居座っているどころか、今度は夕食まで作ってくれる始末。よくよく話を聞いてみれば、住むところがないからしばらくの間朝子の家に泊まらせてほしいと言う。知らないおじさんを泊めるなんて、と悩んだものの、炊事洗濯も弁当づくりもしてくれて、家賃も支払うという条件付きであれよあれよと同居人に……!
必要以上干渉し合わない同居生活のはず。しかし、柊人の作る美味しいごはんに癒されながら過ごすうちに、次第に柊人のことをもっと知りたいと思うようになっていくが、いつも子どものように扱われてもやもやする朝子。
それに、彼には何やら深い事情があるみたい――。
『雨の日に拾った謎のイケオジに餌付けされてます(5)』には「第十二章 ファーストキス」~「第十四章 涙がとまるキス」までを収録