「どうかわたしを慰み者に――」
戦に負けた戦利品としてフィルヴィニア王国の王太子に愛妾として差し出されることとなったアドネス王国の姫ジゼルは、その容姿の特徴から両親に冷遇され愛されずに育ってきた。
そんな彼女を戦勝国に差し出すことを決めた父王は、敗戦の復讐としてジゼルに王太子を暗殺するよう密命を下す。
しかしジゼルが捧げられたフィルヴィニアの王太子ヴィクトルは、ジゼルにとても優しくしてくれる。
次第に惹かれあっていく二人だったが、ジゼルにどうしてもヴィクトルを殺さなくてはならない理由ができて……。
愛されずに育った姫と、祖国の仇の美しい王太子。二人の選んだ道は、果たして――。
『捧げられた王女は溺れる愛に抱かれ(1)』には「序 夜半に乙女は」~「三 密命」までを収録。