前世では魔王討伐のメンバーで大魔導師であった――。
私は、孤児として学びながらあらゆる攻撃魔法、防御魔法、回復魔法を習得し、さらには旅の途中で精霊の王に加護を受け、精霊魔法も使えるようになったのだ。
魔王討伐後、その膨大な魔力を畏れられ、仲間だった賢者やバトルマスターの前で勇者により魔法封じの手錠をかけられ、勇者の手によって断頭された。
なりたくてなった大魔導師ではないのに……。
魔力だって別に欲しくなかった……。
皆に……両親に愛されたかった……。
共に戦った仲間たちだけは私の味方だと……信じていた……。
ある日生まれ変わり、初めて家族――両親ができた。
生まれたばかりだというのに、前世の記憶もあり、魔力も衰えていないことを思い、
今世では家族に愛される平凡な人生を目標に生きると決めたのだ。
決してバレてはいけない。
まずは普通の赤ちゃんらしく振る舞おうと決意を固める。
どうやら裕福な公爵令嬢として、両親に愛され、二歳上の兄もいる。
今世では絶対、平凡で自由な生活を手に入れたい!!
と思っていたのに、第一王子の婚約者を決めるお茶会で「あれ?私はとある小説の悪役令嬢では?」と気づいた。
このままでは悪役令嬢となってしまう。平凡ライフを望みフラグを回避したはずなのに…。
第一王子殿下の婚約者になってしまった、チートな私の奮闘記。
『転生したらチート過ぎて笑えるけど、目立つのは嫌!!平凡が一番です。(2)』には「兄と第一王子の入学」~「難攻不落のダンジョン(初編)」までを収録。