企業間取引(B2B)において、顧客がみずから収集し、活用できる情報は格段に増えた。顧客がサプライヤー候補との商談に割く時間は、購買プロセスのわずか17%にすぎず、多くの時間を、ベンダーや業界に関する独自調査に費やしている。だが、トップクラスの営業担当者は、この難しい状況を絶好の販売機会に変えてきた。彼らは顧客が情報を理解し、自信を持って購買を決断できるようにすることに重きを置く「センスメイキング」(納得感の醸成)のアプローチを取る。本書では、センスメイキングの手法と、なぜそれが必要かという背後の心理状態について考察する。そのうえで、この手法の活用法について解説する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2022年4月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。