岡倉(天心)先生は「諸君は売れるものをお作りになるから売れないので、売れないものをお作りになれば必ず売れる」と言われた。どうもえらいことを言われる先生だなと思って、それが強く心に残った。――本書より
【目次】
刊行にあたって 平櫛弘子
1 生いたち
2 大阪と中谷一家
3 奈良と森川杜園
4 東京に出る
5 禾山和尚
6 長安寺の生活
7 茶屋町の生活
8 米原雲海と山崎朝雲
9 岡倉天心と日本彫刻会
10 岡倉天心の思い出
11 日本美術院の再興
12 上野桜木町の家とその頃の諸作
13 二児を失う
14 色々の天心像
15 素材と用具と伝統技法の復活
16 帝展参加と《霊亀随》
17 肖像彫刻
18 鏡獅子の制作
19 六代目尾上菊五郎の手紙
20 第二次鏡獅子の制作と弟子達
21 美術学校に勤めた頃
略年譜
解 説