【特別版/書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編を追加収録!】
「抱きしめて慰めたい。それが怖いならせめて、お手に触れてもよろしいでしょうか」
ロンドンの片隅で兄と身を寄せ合って暮らす少年・翠(みどり)。翠は接触恐怖症で、特に男の人が怖くて仕方がない。だが、雨の中出会った貴公子のヴィクターは、翠の怖がることは一切せず、豪奢な伯爵邸でただただ優しくもてなしてくれた。翠は彼の甘やかな態度に心を溶かされ、抱きしめられたいとさえ願うように。
しかし、ある時、ヴィクターに拒絶反応を起こし、彼を深く傷つけてしまって――。